【埼玉県虐待禁止条例について お詫び】
【埼玉県虐待禁止条例について お詫び】
この度は条例改正案について、県民をはじめとする多くの皆様に大変ご心配・ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。
報道のように、多くのご批判・ご指摘を受け、修正あるいは取り下げの協議を行い、理解促進の目的とは真逆の社会的混乱を引き起こしている状況から「取り下げるべき」との意見を出させて頂きました。
県議団として10/10に声明を発表し(添付画像)、10/13の定例会閉会日に正式に本会議での取り下げを行いました。
今回頂きましたご意見を真摯に受け止め研鑽を積み、今後はこれまで以上に多くの皆様のお声をお聞きしながら、社会全体で子育てを支える施策推進に努めてまいる所存です。
1、改正案の目的と経緯
本案は、6年前に議員提案で制定された既存条例に対し、車中置き去り等による死亡事故を防ぐため「放置の禁止」を加え、また、行政の取り組みの後押しや、ご家庭・地域での安全点検をお願いする趣旨の改正案でした。
既存条文に明記されていた「安全配慮義務(防犯ブザー所持・親が駆けつけられる・何かあった際の電話がけの約束・戸締り確認等)」が守られている場合は条例に抵触せず、つまり「多くの子育て世帯は違反とならない」立て付けでしたが、改正部分の審査等でこの前提条件を欠いた説明が行われた事で、全国的な物議に発展してしまいました(私自身も2歳の子どもを育てており、仮に「除外規定がない前提で遵守すべき」とされれば、受け入れ難い感覚です)。
また、「虐待の定義については解釈の幅が広く、条文上、明確な定義づけが不明瞭」と多くのご指摘も頂く形となりました。
社会全体に混乱を生じさせる結果となり、この状況を団として受け止めさせて頂き、案を撤回した次第です。
2、条例制定手続き自体の見直し
今回、県議団は県民の皆様のみならず幅広い分野の方々からご批判・ご意見を頂きました。
条例制定そのものの在り方についてもご指摘がありました。
新人議員として、今回が初の条例制定手続きへの参加となった私個人としても、現時点で、
◆法制機能の強化
◆県民意見の反映方法
の2つについて、改善策を講じる必要があると考えています。
この春に県議となる前、私にとって埼玉県議会といえば「議員提出政策条例を実現する議会」の代表格でした。
各種研究団体でも紹介される等、地方議会の8割が議員発の政策条例を制定できていない現実の中で、地域住民に対する政策立案が首長(知事・市町村長)だけの占有権ではない事を体現する、議会改革の好事例として捉えてまいりました。
だからこそ、活発な政策提案の流れであったはずのものが今回のような事態を招いた事実を我々は猛省し、条例制定手続きそのものの適正性から、しっかりと検証を行わなくてはならないと考えます。
現実社会に根ざした条例とは何か、規制は最小限であるべきではないかといったご指摘も含め真摯に受け止め、住民生活を直接左右する議員提案条例の在り方について再考し、改めて住民目線での議会機能発揮に努めてまいりたいと思います。
現在、団では、誤ったプロセスによる条例作りを防止するため、参考モデル研究・事務局の法制スタッフ増強や民間登用・県民コメントの聴取方法等の見直し検討会設置等を協議しています。
そして、私自身、1人の子育て世代としても、子どもを社会全体で守り育むために、信頼回復と県民福祉の向上に努めて参る所存です。