商工会議所より参考人意見をヒアリング 
市内企業へのコロナ影響調査について

こんにちは、上尾市議 尾花あきひとです。

文教経済常任委員会の所管事務調査として「新型コロナウイルスによる 市内企業への影響」をヒアリングすべく 上尾商工会議所 専務理事以下、中小企業支援部門に市議会への出席を依頼しました。

 

文教経済常任委員会 所管事務調査の様子

 

文教経済常任委員会・・・市政全般のうち 環境対策・ごみ処理・農業・商業・工業・学校教育・生涯学習・スポーツ振興等について審査する会議体

所管事務調査・・・・・・定例会中の議案審査等とは別に 議会閉会中に委員会が担当する分野について実施する独自調査

 

上尾商工会議所より参考人として出席いただきました

 

私自身も青年部メンバーとして所属・活動している、上尾商工会議所。
青年部と上尾市の意見交換会や、日頃からの商工業界の情報提供など、事業者目線での政策提言において 多くの学びを得ている団体です。

専務理事より組織概要について改めて説明があったのち、商工会議所として実施した「市内企業へのコロナ影響調査」と 「企業相談の現状」について見解が述べられました。

 

上尾商工会議所について 要旨

三井田専務理事「商工会議所は商工会議所法に基づく 地域の経済団体として 全国に515団体が組織されている。
上尾市においては 従前は上尾市商工会として商工業者のまとめ役のような形で事務を執っていた。

昭和43年7月に 通商産業省(現 経済産業省)の認可を得て発足。
行政と連係し地域活性化・経済界の指導育成に尽力させて頂いている。
上尾の商工会議所は伴走型というか、事業家と一緒になって企業を育成するところと考えている。
過去には、東口の再開発事業・西口整備・北上尾駅建設といった大きな事業や、一方、日頃からの中小事業所のご相談等を行い 運営をしてきた。
職員の半数が相談所に所属し、経営指導員5人・補助員2人・記帳専任職員・記帳指導員を配置している。
予算構成は、概ね3分の1が会員・役員からの会費収入、3分の1が補助金などの収入、3分の1は事業収入(各種検定試験実施や保険関係事業)。

 

 

 

商工会議所では本年2月にコロナウイルス問題が出た折、即、現況把握のため会員を対象としたアンケートを実施
更に、6月頃に2度目のアンケート調査を実施した旨 説明がありました。

なお、委員会で配布された「商工会議所による調査報告資料」については「情報の性質上 慎重な取扱を」との通知がありましたが、後日になり、改めて 会議所より「外部発信可能な資料のみまとめたもの」として下記資料を作成頂きましたので、商工会議所の許可のもと 掲載いたします。
市内企業への影響についてはこちらを参照下さい。

 


新型コロナ影響に関する状況調査

上尾商工会議所 令和2年相談件数

 

 

つづいて、「市が実施したコロナ対策事業」「廃業企業数」に関する所感について 私から質疑しました。

 

 

質問要旨

尾花「上尾市がこの間 実施した『中小・小規模事業者売上回復支援金』について、本市の場合は『売上減少率の条件付け』をしていない状態で全企業へ5万円ずつ実施した。
これは判断が難しいところだが 同じ財源であれば『減少率条件を設けることで 一件あたりの給付金額をもっと上げる』事も手法としては考えられる。
今回の施策評価をどう見ているか。
条件付け等について 当初 商工会議所として意見があったかも含め、今後、こういった施策の検討可能性も想定し、他市のような条件付けについて見解を伺いたい。
また、企業影響についてだが、『売上げが上がるまでのタイムラグがある業種』があるため、そういった業種はここから2〜3か月後が大変になるのではないかと思う。
廃業企業数に関して 会議所の常議員会で報告があったと聞いているが、 新型コロナ影響についていかに分析されているか」

商工会議所「5万円給付については、当初、商工会議所としては金額を多く、具体的には5万円ではなく10万円位出さないと意に沿わないのではという考えはあった。
行政からすれば広く皆さんにとの考えで進んだのかなと思っている。
やはりある程度は枠として『こういう現況にあるから これだけの補助をもらう』というラインを決めて、それ以下に落ちてしまっている事業者をサポートする主旨で『審査を経ての10万円給付』か『何もしないで5万円給付』、いずれかなら 『審査を経ての10万円給付』をしてもよかったのかなとは分析している。
商工会議所の常議員会では、定例報告として『退会者の件数と理由』を伺っている。
その中で『廃業』が 非常に率が多くなっている。
極端に言うと7割方廃業、その廃業の中で いわゆるコロナ関係を想像させるものは、2割程度あるように捉えている。

『コロナの影響をきっかけに もう後継者もいないから事業をやめる』といったケースもある。

 

 

 

4,5月に実施した上尾市の新型コロナウイルス感染症対策事業については「専決処分 (事業実施後に議会は事後審査する形)」での実施でしたが、危機状況下において 首長等 公選職は短絡的視点に陥る危険が常にあり、支援策が「安易なバラマキ」に化ける恐れもあるため、こういった状況でこそ議会の審査をしっかりと経たうえで「二元代表制」を適性に機能させる事が重要です。

 

二元代表制・・・地方自治体では 首長と議会議員をともに住民が直接選挙する。
住民を代表する首長と議会は 独立・対等の関係として、相互に抑制と均衡によって適切な緊張関係を保ち、施策チェック・政策提案を行う事を理想とする

 

また、今回のコロナ禍で独自策を打つ場合、限られた財源の中で 対象者の優先付けを行う事が難題です(収束時期が見えにくい事も要因)。

市側の情報収集だけでは把握しきれない範囲で 同時多発的に影響が出ている状況のため、施策根拠として ある程度まとまった集団・団体からの声を分析する事が有効です。

 
時間の制約もある中 行政内部で支援策を検討された現場職員には敬意を表しますが、同時に、この状況だからこそ 中小企業の生の声を活かした施策立案を より意識していただきたいと思っています。

議会側は行政側と異なり 予算執行権は持っていませんが、市民生活の実態把握は、多様な層やエリアから選出されている議員にとっての得意分野であるため、現場の声を施策に反映できるよう 引き続き努めて参ります。